第36回 筆記試験日 2024年1月28日(日)

第36回(令和5年度)介護福祉士国家試験 午前の問題

午前の問題

<領域:人間と社会>

人間の尊厳と自立(1~2)

問題1 Aさん(76歳、女性、要支援1)は、一人暮らしである。週 1 回介護予防通所リハビリテーションを利用しながら、近所の友人たちとの麻雀を楽しみに生活している。最近、膝に痛みを感じ、変形性膝関節症(knee osteoarthritis)と診断された。同時期に友人が入院し、楽しみにしていた麻雀ができなくなった。Aさんは徐々に今後の生活に不安を感じるようになった。ある日、「自宅で暮らし続けたいけど、心配なの・・・」と介護福祉職に話した。

 Aさんに対する介護福祉職の対応として、最も適切なもの1つ選びなさい。

✕ 不正解ふせいかい

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

問題2 次の記述のうち、介護を必要とする人の自立についての考え方として、最も適切なもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

◯ 正解

✕ 不正解

Aさんは同行援護を利用しているため、合唱サークルの仲間に移動の支援を依頼する必要はありません。

✕ 不正解

✕ 不正解

人間関係とコミュニケーション(3~6)

問題3 U介護老人福祉施設では、利用者の介護計画を担当の介護福祉職が作成している。このため、利用者の個別の介護目標を、介護福祉職のチーム全員で共有することが課題になっている。
 この課題を解決するための取り組みとして、最も適切なもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

問題4 Bさん(90歳、女性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所している。入浴日に、担当の介護福祉職が居室を訪問し、「Bさん、今日はお風呂の日です。時間は午後3時からです」と伝えた。しかし、Bさんは言っていることがわからなかったようで、「はい、何ですか」と困った様子で言った。
 このときの、介護福祉職の準言語を活用した対応として、最も適切なもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

✕ 不正解

✕ 不正解

問題5 V介護老人福祉施設では、感染症が流行したために、緊急的な介護体制で事業を継続することになった。さらに労務管理を担当する職員からは、介護福祉職の精神的健康を守ることを目的とした組織的なマネジメントに取り組む必要性について提案があった。
 次の記述のうち、このマネジメントに該当するものとして、最も適切なもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

✕ 不正解

問題6 次のうち、介護老人福祉施設における全体の指揮命令系統を把握するために必要なものとして、最も適切なもの1つ選びなさい。

◯ 正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

社会の理解(7~18)

問題7 次のうち、セルフヘルプグループ(self-help group)の活動に該当するものとして、最も適切なもの1つ選びなさい。

◯ 正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

問題8 特定非営利活動法人(NPO法人)に関する次の記述のうち、最も適切なもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

✕ 不正解

✕ 不正解

問題9 地域福祉において、19世紀後半に始まった、貧困地域に住み込んで実態調査を行いながら住民への教育や生活上の援助を行ったものとして、最も適切なもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

問題10 社会福祉基礎構造改革に関する次の記述のうち、適切なもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

問題11 Cさん(77歳、男性)は、60歳で公務員を定年退職し、年金生活をしている。持病や障害はなく,退職後も趣味のゴルフを楽しみながら健康に過ごしている。ある日、Cさんはゴルフ中にけがをして医療機関を受診した。
 このとき、Cさんに適用される公的医療制度として、正しいもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

◯ 正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

問題12 次のうち、介護保険法に基づき、都道府県・指定都市・中核市が指定(許可)、監督を行うサービスとして、正しいもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

✕ 不正解

✕ 不正解

問題13 「障害者差別解消法」に関する次の記述のうち、適切なもの1つ選びなさい。

(注)「障害者差別解消法」とは、「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」のことである。

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

問題14 「障害者総合支援法」に規定された移動に関する支援の説明として、最も適切なもの1つ選びなさい。

(注)「障害者総合支援法」とは、「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」のことである。

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

✕ 不正解

問題15 Dさん(80歳、男性、要介護2)は、認知症(dementia)がある。訪問介護(ホームヘルプサービス)を利用しながら一人暮らしをしている。

 ある日、訪問介護員(ホームヘルパー)がDさんの自宅を訪問すると、近所に住むDさんの長女から、「父が、高額な投資信託の電話勧誘を受けて、契約しようかどうか悩んでいるようで心配だ」と相談された。

 訪問介護員(ホームヘルパー)が長女に助言する相談先として、最も適切なもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

✕ 不正解

問題16 災害時の福祉避難所に関する次の記述のうち、適切なもの1つ選びなさい。

◯ 正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

問題17 「感染症法」に基づいて、結核(tuberculosis)を発症した在宅の高齢者に、医療費の公費負担の申請業務や家庭訪問指導などを行う機関として、適切なもの1つ選びなさい。

(注)「感染症法」とは、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」のことである。

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

✕ 不正解

✕ 不正解

問題18 Eさん(55 歳、女性、障害の有無は不明)は、ひきこもりの状態にあり、就労していない。父親の年金で父親とアパートで暮らしていたが、父親が亡くなり、一人暮らしになった。遠方に住む弟は、姉が家賃を滞納していて、生活に困っているようだと、家主から連絡を受けた。

 心配した弟が相談する機関として、最も適切なもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

◯ 正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

<領域:介護>

介護の基本(19~26)

問題19 次のうち、マズロー(Maslow, A.H.)の欲求階層説で成長欲求に該当するものとして、正しいもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

✕ 不正解

✕ 不正解

問題20 次のうち、交感神経の作用に該当するものとして、正しいもの1つ選びなさい。

◯ 正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

✕ 不正解

問題21 Fさん(82 歳、女性)は、健康診断で骨粗鬆症(osteoporosis)と診断され、内服治療が開始された。
歩行で時々ふらつくが、ゆっくりと自立歩行することができる。昼間は自室にこもり、ベッドで横になっていることが多い。リハビリテーションとして週3日歩行訓練を行い、食事は普通食を毎食8割以上摂取している。

 Fさんの骨粗鬆症(osteoporosis)の進行を予防するための支援として、最も適切なもの1つ選びなさい。

✕ 不正解

✕ 不正解

◯ 正解

✕ 不正解

✕ 不正解

問題22 施設利用者の多様な生活に配慮した介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

施設の就寝時刻に合わせてもらうことは、施設利用者の多様な生活に配慮した対応とはいえない。少しずつ施設の生活習慣に慣れていただくことも対応の一つである。

✕ 不正解

シーツが汚れるという理由で化粧をやめてもらうことは、施設利用者の多様な生活に配慮した対応とはいえない。

✕ 不正解

本を捨ててもらうことは、施設利用者の多様な生活に配慮した対応とはいえない。まずは整理整頓してもらえるように促すといった対応が望ましい。

✕ 不正解

ベッドで寝てもらうことは、施設利用者の多様な生活に配慮した対応とはいえない。できるだけ布団を敷いて寝てもらうように配慮する必要がある。

◯ 正解

自宅で夜間に入浴をしていた人に、夕食後に入浴してもらうことは、その方の生活に配慮した対応である。

問題23 介護医療院に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

介護医療院に入所できるのは、要介護者であって、主として長期にわたって療養が必要な者である。入所の基準が原則として要介護3以上とされているのは指定介護老人福祉施設(特別養護老人ホーム)である。

✕ 不正解

介護医療院の開設には、都道府県知事の許可を受けなければならない。

◯ 正解

介護医療院は、「適宜入所者のためのレクレーション行事を行うよう努めるものとする」と規定されている。

✕ 不正解

入所者一人あたりの床面積は、介護医療院で8平方メートル以上、介護老人福祉施設で10.65平方メートル以上と規定されているため、同じではない。

✕ 不正解

介護医療院には、サービス提供責任者の配置基準は設けられていない。

問題24 Eさん(女性、82歳、要介護1)は、夫(80歳)と二人暮らしである。膝の痛みがあるが、夫の介助があれば外出は可能である。最近Eさん宅は、玄関、トイレ、浴室に手すりを設置している。Eさんは料理が趣味で、近所のスーパーで食材を自分で選び、購入し、食事の用意をしたいと思っている。こうした中、Eさん宅で介護支援専門員(ケアマネジャー)が関係職種を招集してサービス担当者会議を開くことになった。
Eさんの思いに添ったサービスの提案として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

Eさんは自分で食材を選び、購入し、食事の準備をしたいと思っているため、訪問介護員による調理の生活援助を利用することは適切ではない。

✕ 不正解

Eさんは自分で食材を選び、購入し、食事の準備をしたいと思っているため、配食サービスを利用することは適切ではない。

✕ 不正解

日常生活自立支援事業は、認知症、知的障害、精神障害などにより判断能力が不十分な人が社会福祉協議会と契約をして、福祉サービスの利用手続きや金銭管理などを行ってもらうものである。Eさんは膝の痛みはあるものの、認知能力に問題はないため、日常生活自立支援事業の活用は適切ではない。

◯ 正解

Eさんは膝に痛みを抱えているため、近所のスーパーまで安全に歩行できるようにサポートすることが重要である。よって、福祉用具専門相談員の助言による四輪歩行車利用を提案することは適切である。

✕ 不正解

Eさん宅の浴室には手すりが設置されており、自宅で入浴を行っているため、通所介護の職員による入浴サービスの利用を提案することは適切ではない。

問題25 介護施設におけるプライバシーの保護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

ユニット型施設では、個室化が推進されているが、食事はできるかぎり共有スペースで取れるように支援しなければならないとされている。

◯ 正解

プライバシー保護に注意したルールを設けた上で、個々の利用者の生活歴の情報を介護職員間で共有することは適切な対応である。

✕ 不正解

個人情報記録のファイルは、適切に保管し、必要に応じて閲覧することが必要である。介護職員間で情報を共有することは大切だが、誰でも見ることができる机の上に置いたままにすることは適切ではない。

✕ 不正解

トイレのドアを開けたままで排泄の介護を行うことは、プライバシー保護の観点から問題があるため適切ではない。

✕ 不正解

家庭内の出来事や会話の内容は、介護をしていく中で重要な手がかりになることがある。プライバシーの保護には十分配慮しつつ、記録をすることは適切な対応である。

問題26 ハインリッヒ(Heinrich, H.)の法則に関する記述として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

機能障害、能力障害、社会的不利という障害をとらえるための分類は、1980年にWHOで制定されたICIDH(国際障害分類)である。

✕ 不正解

人間の自己実現に向けた欲求を5つの階層で示しているのは、マズローの欲求段階説である。彼は、動機づけが形成されるときには、欲求による階層的な序列があるとし、欲求の段階を生理的欲求、安全と安定の欲求、愛情と所属の欲求、自尊の欲求、自己実現の欲求に分類した。

◯ 正解

ハインリッヒの法則は、彼が労働災害の統計から導き出された法則である。彼は、1件の重大事故が起こる背景には、29件の軽微な事故と300件の怪我に至らない事故があったことを発見し、1931年に「災害防止の科学的研究」という本でこの法則を発表した。その数字から「1:29:300の法則」とも呼ばれる。

✕ 不正解

患者が余命を知らされてから死を受容するまでの心理的プロセスを唱えたのは、キューブラー・ロスである。第1段階「避妊」、第2段階「怒り」、第3段階「取引」、第4段階「抑うつ」、第5段階「受容」である。

✕ 不正解

生活課題を抱えた人の支援をする上で必要な7つの原則を唱えたのは、バイステックである。個別化、意図的な感情表現、統制された情緒関与、受容、非審判的態度、自己決定、秘密保持の7つである。

コミュニケーション技術(27~34)

問題27 介護福祉職が利用者と信頼関係を形成するためのコミュニケーション技術として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

利用者をありのままに受け入れることは必要だが、利用者の意見に賛成できないときには同意はしてはならない。賛成できない意見に同意することは、信頼関係の構築にはつながらない。

✕ 不正解

介護福祉職が親しみを込めて「○○ちゃん」と呼んでいても、利用者にとっては不快に感じたり、失礼と捉えられる場合もある。一概に「○○ちゃん」と呼ぶべきではない。

✕ 不正解

利用者の話を聞くだけでなく、介護福祉職からも質問をしてお互いのことをよく知ることが、信頼関係の構築につながる。

✕ 不正解

介護福祉職の価値観で一方的に判断することは、信頼関係の構築にはつながらない。

◯ 正解

利用者を理解するためには、まず介護福祉職自身を知ることが大切である。自分の感情の動きを客観的に意識し、理解することを「自己覚知」といい、コミュニケーションの基本姿勢の1つである。

次の事例を読んで、問題28、問題29について答えなさい。
〔事例〕
Fさん(85歳、女性)は、中等度の認知症(dementia)がある。同居していた娘の支援を受けて生活してきたが、症状が進行してきたために、介護老人福祉施設への入所が決まった。
入所当日、介護福祉職はFさんの付き添いで来た娘に初めて会った。介護福祉職が、「はじめまして。よろしくお願いします」と挨拶をすると、娘は少し緊張した様子で、「お願いします」とだけ答えた。娘は、介護福祉職の問いかけに応えるまで時間がかかり、また、あまり多くを語ることはなかった。
持参した荷物の整理を終えて帰宅するとき、娘が寂しそうに、「これから離れて暮らすんですね」とつぶやいた。

問題28 初対面の娘と関係を構築するために介護福祉職がとる対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

友人のような口調ではなく、丁寧に話すのが適切である。

◯ 正解

相手のペースに合わせることで、Fさんの娘が話しやすくなることにつながる。また、表情を確認することで相手の気持を推察することもできる。

✕ 不正解

会話が途切れないように積極的に話すことは、緊張しているFさんの娘にとって負担になることも考えられる。娘さんのペースに合わせて話すのが適切である。

✕ 不正解

初対面という状況を考えると、密接距離ではなく、一定の距離を保って話すことが適切である。

✕ 不正解

スキンシップは信頼関係が構築されてから行うべきであり、初対面の人にスキンシップを用いることは適切ではない。

問題29 帰宅するときの娘の発言に対する、介護福祉職の共感的な言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

相手を安心させるための言葉かけであり、共感的な言葉かけではないため不正解。

✕ 不正解

Fさんの娘とは初対面であり、「本当に私の気持ちを分かっているのか」と思わせてしまう可能性があるため不正解。

✕ 不正解

寂しい気持ちを隠すことは、介護福祉職が理想とする態度であり、共感的な言葉かけではないため不正解。

✕ 不正解

介護福祉職の考えを押し付ける言葉かけであり、Fさんの娘に負担をかける恐れがあるため不正解。

◯ 正解

Fさんの娘が話した内容と、感情の両方をふまえており、共感する姿勢を示す言葉かけとなっているため正解。

問題30 Gさん(55歳、男性)は父親と二人で暮らしている。父親は週2回通所介護(デイサービス)を利用している。Gさんは、父親が夜に何度も起きるために睡眠不足となり、仕事でミスが続き退職を決意した。
ある日、Gさんが介護福祉職に、「今後の生活が不安だ。通所介護(デイサービス)の利用をやめたいと考えている」と話した。
Gさんが、「利用をやめたい」と言った背景にある理由を知るためのコミュニケーションとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

◯ 正解

Gさんが、「利用をやめたい」と言った背景にある理由を知るためには、「なぜですか」「どうしてそう思われるのですか」というような開かれた質問をし、自由に話してもらうことが適切である。

✕ 不正解

「はい」「いいえ」で答えられる「閉じられた質問」では、背景にある思いや理由を自由に話せないため不適切である。

✕ 不正解

Gさんの思いを知るためには、Gさんのペースに合わせて話をすることが大事である。

✕ 不正解

たとえ事実と異なっていたとしても、まずはGさんの話を受け入れる姿勢が必要である。

✕ 不正解

推測で判断するのではなく、Gさんから直接思いを聞くことが大切である。

問題31 利用者と家族の意向が対立する場面で、介護福祉職が両者の意向を調整するときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

介護福祉職は、話し合いが進むように、利用者と家族が話し合うきっかけとなるような発言をすることが求められる。

✕ 不正解

両者の意見が対立している場合には、介護福祉職は中立の立場を取る必要がある。

◯ 正解

両者の意見が対立している場合には、中立の立場を取り、それぞれの意見を聞くことが求められる。

✕ 不正解

家族の介護負担の軽減を目的にして調整することで、利用者の意見が反映されない場合もある。両者の意見を取り入れながら、最善の解決策に導いていくことが介護福祉職には求められる。

✕ 不正解

介護福祉職一人で解決するのではなく、多職種の意見も聞きながら解決していく姿勢が求められる。

問題32 運動性失語症(motor aphasia)のある人とコミュニケーションを図るときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

◯ 正解

運動性失語(ブローカ失語)は、言葉の理解はできるが、発語が困難な失語症である。限られた単語でしか発語ができないため、絵や写真を使って反応を引き出すことは適切である。

✕ 不正解

聴力に障害はなく、言葉は理解できるため、大きな声で1音ずつ区切って話す必要はない。ゆっくり、短く、分かりやすい言葉で話すようにする。

✕ 不正解

手話は、聴覚障害者が用いるコミュニケーション手段である。

✕ 不正解

五十音表の活用は、運動性失語ではなく、構音障害のある利用者に対して有効なコミュニケーション手段である。失語症では、はなるだけでなく、読み書きにも困難さが生じる場合があるため不適切である。

✕ 不正解

「はい」「いいえ」や頷きやしぐさで答えられる「閉ざされた」は意思疎通が図りやすく、有効な手段である。

問題33 介護記録を書くときの留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

介護記録は、正確に書くためにもその日のうちに書くのが適切である。

✕ 不正解

客観的事実と主観的情報のどちらも記録しておくことが必要だが、区別して書くことが大切である。

◯ 正解

誰から得た情報なのかを明確にするためにも、情報源を書く必要がある。

✕ 不正解

記録は事実をありのままに書く必要があり、利用者の気持ちだけを推測して書くことは不適切である。

✕ 不正解

介護福祉職にとどまらず、他の専門職の意見も記録に反映させる必要がある。

問題34 報告者と聞き手の理解の相違をなくすための聞き手の留意点として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

受身の姿勢ではなく、不明点や疑問点があれば質問するといった積極的な姿勢を取ることが必要である。

✕ 不正解

腕組みをすることは、相手を拒否している態度にも受け取られるため、腕組みはしないほうが良い。

✕ 不正解

同調しながらではなく、不明点や疑問点があれば確認するという姿勢を取ることが必要である。

◯ 正解

報告された内容に不明点があれば確認し、納得しながら理解を深めることが必要である。

✕ 不正解

ほかの業務をしながら報告を聞くと、報告に集中できず、理解の相互が生じる可能性がある。

報告は、それだけに集中して聞くことが大切である。

生活支援技術(35~60)

問題35 次の記述のうち、古い住宅で暮らす高齢者が、ヒートショックを防ぐために必要な環境整備の方法として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

居室の室温を低くすると、他の部屋との温度差でヒートショックを起こしやすくなるため不正解。

居室の温度は適温にしておく必要がある。

✕ 不正解

ヒートショックは急激な温度変化によって引き起こされるため、脱衣所の照明を明るくしても対策にはならないため不正解。

◯ 正解

古い住宅のトイレは居室との温度差が大きく、また床面積が狭いところも多いため、床置き式の小型のパネルヒーターを置くことは、ヒートショックの対策となるため正解。

✕ 不正解

湯温が60℃のままで入浴することはできないため、温度を下げる必要がある。その際に浴室も下がり、ヒートショックにつながる危険があるため不正解。

湯温は40℃前後が適切である。

✕ 不正解

24時間換気システムを導入して換気を行っても、ヒートショックの予防にはつながらないため不正解。

問題36 高齢者にとって安全で使いやすい扉の工夫として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

トイレの扉は外開きのほうが安全で使いやすいため不正解。

内開きだと、使用中に倒れた場合に身体がつかえてしまい、外から開けられない危険性がある。

✕ 不正解

開き戸は開閉する際に前後の動きが大きくなり、杖や車椅子を使用している高齢者にとっては使いにくいため不正解。

✕ 不正解

横にスライドする引き戸は扉に前後の動きがなく、開閉の速度は遅くなるため不正解。

✕ 不正解

アコーディオンドアは、簡易な間仕切りとして使用され、気密性は低いため不正解。

また、高齢者にとっては開閉操作が難しいため適切でない。

◯ 正解

棒型の取っ手は、つかみやすく力を入れやすいため、高齢者にとって使いやすくなるため正解。

問題37 下肢の筋力が低下して、つまずきやすくなった高齢者に適した靴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

靴底の溝が浅い靴は、滑りやすいため高齢者には適していないため不正解。

✕ 不正解

靴底が薄く硬い靴は、しっかりと踏み出しにくいため不正解。

✕ 不正解

足の指が固定される靴は、つま先が窮屈となり、地面にしっかりと踏ん張ることができないため不正解。

◯ 正解

足背(足の甲)をしっかり覆う靴は、足が固定され、足が上げやすくなるため正解。

✕ 不正解

重い靴は、足を上げにくく、つまずきやくくなるため不正解。

問題38 介護が必要な利用者の口腔ケアに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

◯ 正解

うがいをすることで、口腔内の食物残渣などが取れることができる。よってブラッシング前にうがいをするのは適切であるため正解。

✕ 不正解

後屈した姿勢で歯磨きを行うと、誤嚥する可能性がある。頭部は前屈させ、顎を引いた状態で行うのが適切であるため不正解。

✕ 不正解

部分床義歯のクラスプ部分は、汚れがつきやすく最近が繁殖しやすいため流水だけでは不十分である。

専用の歯ブラシを使用し、洗う必要があるため不正解。

✕ 不正解

全部の歯がない利用者には、硬い毛の歯ブラシではなく、やわらかい粘膜用のブラシを使う必要があるため不正解。

✕ 不正解

舌の清拭は、奥から手前に向かって行うのが適切なため不正解。

手前から奥に向かって行うと、汚れや唾液を誤嚥する可能性がある。

問題39 口腔内が乾燥している人への助言に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

口腔内が乾燥している場合、唾液の分泌が低下している。唾液の分泌を促すには酸味のある食べ物が適切であるため不正解。

✕ 不正解

口腔内が乾燥している場合、唾液の分泌が低下し、誤嚥に繋がりやすい。

ご縁を予防するためにも、臥床時には仰臥位で枕を使用し、前傾の姿勢が適切であるため不正解。

✕ 不正解

口腔内の乾燥を防ぐために、水分を摂取することは適切であるため不正解。

◯ 正解

唾液腺マッサージによって、唾液の分泌が促され、口腔内の乾燥を防ぐことにつながるため正解。

✕ 不正解

ジェルタイプの保湿剤を使用するときは、前回塗った保湿剤を拭き取り、新たに塗るのが適切であるため不正解。

問題40 介護福祉職が利用者を仰臥位(背臥位)から側臥位へ体位変換するとき、図に示された力点の部位として、適切なものを1つ選びなさい。

◯ 正解

仰臥位から側臥位に体位変換する際には、Aの肩峰とCの膝頭を力点として、「てこの原理」を応用するのが適切であるため正解。

✕ 不正解

Dのふくらはぎを力点としても、体感と足がよじれ、力が伝わりにくいため不正解。

✕ 不正解

Bの腹部を力点としても、力は伝わりにくいため不正解。

✕ 不正解

Bの腹部、Dのふくらはぎは力点としては適切でないため不正解。

✕ 不正解

Bの腹部、Eの足部は力点としては適切でないため不正解。

問題41 標準型車いすを用いた移動の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

急な上り坂では、ゆっくり進むのが適切なので不正解。

✕ 不正解

急な下り坂は、後ろ向きで進むのが適切なので不正解。

◯ 正解

踏切を渡るときは、前輪を上げて、駆動輪(後輪)でレールを超えて進むのが適切なので正解。

✕ 不正解

段差を上るときは、前輪を上げて進み、駆動輪が段差に接してから前輪を下ろすのが適切なので不正解。

✕ 不正解

砂利道では、駆動輪ではなく前輪を上げて進むのが適切なので不正解。

問題42 Hさん(35歳、男性)は6か月前、高所作業中に転落し、第6胸髄節(Th6)を損傷した。リハビリテーション後、車いすを利用すれば日常生活を送ることができる状態になっている。
Hさんの身体機能に応じた車いすの特徴として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

Hさんは頭部には麻痺がなく、ヘッドサポートの装着は必要ないため不正解。

✕ 不正解

Hさんは上肢の麻痺はなく、手は動かせるため、ハンドリムのある車いすを使用するのが適切なため不正解。

✕ 不正解

Hさんは上肢の麻痺はなく、手は動かせるため、レバーの長いブレーキを装着する必要はない。

✕ 不正解

Hさんは上肢の麻痺はなく、両腕は自由に動かせるため、片手で駆動できるハンドリムを装着する必要はない。

◯ 正解

第6胸髄節(Th6)損傷の場合、脚と胴体下部の麻痺、胸郭から下の感覚と運動機能が失われているため、体幹の保持が困難である。腰部までのバックサポートを装着し、座位を安定させることは適切な対応である。

問題43 Jさん(80歳、女性、要介護3)は、介護老人福祉施設に入所している。食事の後、Jさんから、「最近、飲み込みにくくなって時間がかかる」と相談された。受診の結果、加齢による機能低下が疑われると診断された。
次の記述のうち、Jさんが食事をするときの介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

リクライニングのいすの背もたれを倒して食事をすると、誤嚥のリスクが高くなるため不正解。

✕ 不正解

栄養価の高い食事ではなく、飲み込みやすい食事を準備することが適切な対応であるため不正解。

◯ 正解

食事前に嚥下体操をすることは、誤嚥を予防することにつながるため正解。

✕ 不正解

自力で全量を摂取させることで、疲れがたまり誤嚥のリスクが高まるため不正解。

✕ 不正解

Jさんは咀嚼機能ではなく、嚥下能力が低下していると考えられる。よって、食事を細かく刻むのではなく、とろみをつけるなど飲み込みやすくする対応が適切なため不正解。

問題44 慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease)のある利用者の食事に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

繊維質の多い芋類は、ガスを発生させて横隔膜を圧迫するので控える必要があるため不正解。

✕ 不正解

炭酸飲料は、ガスを発生させて横隔膜を圧迫するので控える必要があるため不正解。

✕ 不正解

痰に含まれるたんぱく質と水分を補うために、高たんぱく質、高カロリーの食事を摂取することは適切であるため不正解。

✕ 不正解

痰を出すために咳をし、体力を使うため、高カロリーの食事を摂取することは適切であるため不正解。

◯ 正解

慢性閉塞性肺疾患の場合、食事をすることで、胃が膨らみ横隔膜を圧迫し、息苦しくなってしまう。よって、1回の食事量を少なくし、回数を増やすことは横隔膜を圧迫させない食事方法であり、適切な対応であるため正解。

問題45 入浴の身体への作用を踏まえた介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

食後すぐの入浴を避けるのは、温熱作用によって血流が良くなり、胃に血液が集まらなくなることで消化が悪くなるからである。浮力作用の影響ではないため不正解。

◯ 正解

浮力作用とは、水の中で浮力を受けて身体が軽くなることである。この作用によって、筋肉がほぐれ関節運動を行うのに適しているため正解。

✕ 不正解

入浴後に水分補給を行うのは、温熱作用によって身体が温まり、発汗が促されるためである。静水圧作用によるものではないため不正解。

✕ 不正解

入浴前にトイレ誘導をするのは、温熱作用によって血流が良くなり、腎臓への血流も増加するためである。静水圧作用によるものではないため不正解。

✕ 不正解

温熱作用を利用するためには、ぬるめのお湯にゆっくりと長くつかるのが適切なため不正解。

問題46 四肢麻痺の利用者の手浴に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

手浴は仰臥位(背臥位)ではなく、側臥位で行うのが適切であるため不正解。

✕ 不正解

手指は5〜10分程度、お湯につけるのが適切であるため不正解。

◯ 正解

麻痺があり、自分で手を支えることができないため、利用者の手関節を支えながら洗うのは適切であるため正解。

✕ 不正解

指の間の皮膚は薄いため、優しく丁寧に洗うのが適切であるため不正解。

✕ 不正解

指の間の水気は、自然乾燥ではなくタオルで拭き取るのが適切なため不正解。

問題47 利用者の状態に応じた清潔の介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

乾燥性皮膚疾患がある場合には、弱アルカリ性ではなく弱酸性の石鹸で洗うのが適切なため不正解。

◯ 正解

人工透析をしている場合、皮膚の乾燥し、皮膚が弱っていることが多いため、柔らかいタオルでからだを洗うのは適切であるため正解。

✕ 不正解

褥瘡がある場合、褥瘡部をこすって洗うのは不適切であるため不正解。

✕ 不正解

糖尿病性神経障害がある場合、足指の間に傷がついていても気づかないことが多い。ナイロンたわしを使うことで、傷口が悪化するおそれもあるため不正解。

✕ 不正解

浮腫のある部位は、皮膚が薄くなって傷つきやすくなっているので、タオルを強く押し当てて洗うのは不適切であるため不正解。

問題48 Kさん(72歳、女性、要介護2)は、脳梗塞(cerebral infarction)で入院したが回復し、自宅への退院に向けてリハビリテーションに取り組んでいる。トイレへは手すりを使って移動し、トイレ動作は自立している。退院後も自宅のトイレでの排泄を希望している。
Kさんが自宅のトイレで排泄を実現するために必要な情報として、最も優先されるものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

便意・尿意の有無は、トイレでの排泄を実現させるために必要な情報として最も優先されるものではないため不正解。

✕ 不正解

飲食の状況によって尿量などは変化するが、トイレでの排泄を実現させるために必要な情報として最も優先されるものではないため不正解。

✕ 不正解

Kさんはトイレ動作は自立しているため、衣類の着脱の状況は、トイレで排泄を実現するために必要な情報ではないため不正解。

✕ 不正解

Kさんは、手すりを使ってトイレまで移動し、トイレ動作も自立しているため、家族介護者の有無はトイレで排泄を実現するために必要な情報ではないため不正解。

◯ 正解

Kさんは手すりを使えばトイレまで移動でき、トイレ動作も自立している。自宅のトイレまでの通路につかまるものがあるかなど確認することは、最も優先される情報であるため正解。

問題49 自己導尿を行っている利用者に対する介護福祉職の対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

◯ 正解

利用者が安全・安楽に自己導尿が行うために、体を支えるのは適切な対応なので正解。

✕ 不正解

利用者が自己導尿を行っている間は、プライバシーを保護するためにそばを離れるのが適切なので不正解。

✕ 不正解

カテーテルの挿入は利用者本人に認められている行為であり、介護福祉職には認められていないため不正解。

✕ 不正解

再利用のカテーテルは水道水で洗った後に、消毒液入りのケースに入れて保存するのが適切なので不正解。

✕ 不正解

尿の観察は、介護福祉職が行って記録し、以上があれば医師に伝える必要があるので不正解。

問題50 下肢筋力の低下により立位に一部介助が必要な車いすの利用者が、トイレで排泄をするときの介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

便座の高さは、利用者の膝より少し高くなるようにするのが適切なので不正解。

✕ 不正解

便座に移乗する前には、車いすの前の方に浅く座ってもらい、前傾姿勢になって立ち上がってもらうのが適切なので不正解。

✕ 不正解

車いすから便座に移乗するときは、利用者の腰を支えるのが適切なので不正解。

◯ 正解

利用者が便座に移乗したら、座位が安定していることを確認する必要があるので正解。

✕ 不正解

車いすから立ち上がってから、下着とズボンを下腿部まで下げるのが適切なので不正解。

問題51 図の洗濯表示の記号の意味として、正しいものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

洗濯表示マークに示される数字は、液温の上限を意味しているので不正解。

✕ 不正解

洗濯表示マークに示される数字は、液温の上限を意味しているので不正解。

✕ 不正解

洗濯表示マークに示される数字は、液温の上限を意味しているので不正解。

◯ 正解

数字の30は「液温の上限」を、下部の線の1本は「弱い洗濯」ができることを示しているので正解。

✕ 不正解

非常に弱い洗濯の場合には、下部の先は2本なので不正解。

問題52 衣服についたバターのしみを取るための処理方法に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

バターのしみは油性の汚れであり、水では洗い流すことができないので不正解。

◯ 正解

バターのしみは油性の汚れであり、ベンジンで叩いてから洗剤をつけて叩くのが適切なので正解。

✕ 不正解

乾かした後にブラッシングして落とすのは、泥汚れに効果的なので不正解。

✕ 不正解

氷で冷やしてもむのは、ガムなどに効果的なので不正解。

✕ 不正解

歯磨き粉をつけてもむのは、墨汁などに効果的なので不正解。

問題53 食中毒の予防に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

鮮魚や精肉は痛みやすいので、買い物の最後に購入するのが適切なので不正解。

✕ 不正解

冷蔵庫の食品は、冷気が行きわたるように冷蔵庫の容量の70%を目安にして、隙間をあけるのが適切なので不正解。

◯ 正解

作って保存しておく食品は、早く冷めるように広く浅い容器に入れて、すばやく冷ますことで食中毒菌の増殖をおさえることができるので正解。

✕ 不正解

再加熱するときは、中心部温度が75℃で1分間以上行うのが適切なので不正解。

✕ 不正解

使い終わった器具は、微温湯ではなく、熱湯をかけて消毒するのが適切なので不正解。

問題54 喘息のある利用者の自宅の掃除に関する次の記述のうち、適切なものを1つ選びなさい。

◯ 正解

ほこりが舞い上がらないようにするために、掃除機をかける前に吸着率の高いモップで床を拭くのは適切なので正解。

✕ 不正解

高いところにあるほこりが落ちてしまうため、高い所から低い所へ掃除をすすめるのが適切なので不正解。

✕ 不正解

往復拭きをすると、雑巾についたほこりが拭いたところについてしまう可能性があるため、一方向に拭くのが適切なので不正解。

✕ 不正解

ほこりをしっかりと吸い込むために、ゆっくりと動かすのが適切なので不正解。

✕ 不正解

出入り口から掃除をすすめると、掃除が終わったところに、またほこりが落ちてしまう可能性がある。奥から出入口に向かって掃除を進めるのが適切なので不正解。

問題55 ベッドに比べて畳の部屋に布団を敷いて寝る場合の利点について、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

畳の上に布団を敷くと、畳と布団の間に空間がなく、布団に湿気がこもりやすいので不正解。

✕ 不正解

床の畳と布団には高さがほとんどなく、ベッドに比べて立ち上がりの動作はしにくいので不正解。

✕ 不正解

しゃがんで介護をする必要があり、ベッドに比べて介護者の負担は大きいので不正解。

✕ 不正解

ベッドに比べて、床からの音や振動が伝わりやすいので不正解。

◯ 正解

畳と布団の間には高さにほとんど差がなく、転落する危険性がないので正解。

問題56 睡眠の環境を整える介護として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

寝具を選ぶときは、保湿性ではなく通気性を重視する必要があるので不正解。

◯ 正解

湯たんぽが皮膚に直接触れると、低温やけどをするおそれがあり、タオルなどで包んで使用するのが適切なので正解。

✕ 不正解

寝室の温度は15℃前後ではなく、20℃前後が望ましいので不正解。

✕ 不正解

顎が頸部につくぐらいの高さにすると、息苦しくなるため不正解。

首の角度が15度くらいになる高さにすると、首への負担も少なく寝返りもしやすいので適切である。

✕ 不正解

電気毛布をつけたままにしておくと、低温やけどや脱水症状になるおそれがある。就寝中はタイマーなどを使用してスイッチが切れるようにするのが適切なので不正解。

問題57 Lさん(78歳、男性)は、脳梗塞後遺症による右片麻痺がある。妻の介護疲れで、3日前から介護老人保健施設の短期入所療養介護(ショートステイ)を利用している。入所以降、Lさんは日中もベッドで横になっていることが多かったため、介護福祉職がLさんに話を聞くと、「夜、眠れなくて困っている」と訴えた。

介護福祉職のLさんへの対応として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

Lさんは施設の起床時間や消灯時間が分からなくてベッドに横になっているわけではないので不正解。

✕ 不正解

Lさんは3日前に施設に来たばかりであり、まだ施設に生活に離れていないことも考えられる。また、眠ろうとする意思が大切だと伝えることは、Lさんにプレッシャーをかけることになり、介護福祉職の対応としては適切でないので不正解。

◯ 正解

何時に寝ていたのか、どこで寝ていたのかなど自宅での睡眠の状況を尋ね、できる限りその環境に近づけることが介護福祉職として適切な対応なので正解。

✕ 不正解

日中に睡眠を取ることで、さらに夜間眠れなくなる可能性があるので不正解。

日中はできるかぎり起きて、夜間眠れるように対応することが介護福祉職には求められる。

✕ 不正解

睡眠薬の服用については、医師の判断が必要である。睡眠薬を提案する前に、環境面などを整えて夜眠れるように考えていくことが介護福祉職には求められるため不正解。

問題58 「人生の最終段階における医療・ケアの決定プロセスに関するガイドライン」(2018年(平成30年)改訂(厚生労働省))において、アドバンス・ケア・プランニング(ACP)が重要視されている。このアドバンス・ケア・プランニング(ACP)を踏まえた、人生の最終段階を迎えようとする人への介護福祉職の言葉かけとして、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

現在抱えている悩みごとについての言葉かけは、アドバンス・ケア・プランニングを踏まえたものではないので不正解。

✕ 不正解

アドバンス・ケア・プランニングでは、利用者が主体となって、今後の医療やケア(介護)について話し合うことが重視されるので不正解。

◯ 正解

アドバンス・ケア・プランニングでは、将来的な医療・介護のあり方について、利用者が主体となって、家族や医療・介護チーム、ケアの担当者と繰り返し話し合いながら、人生の最期をどのように迎えるのかを事前に計画することなので正解。

✕ 不正解

アドバンス・ケア・プランニングでは、口から食べられなくなった時のことを想定して、あらかじめ話し合っておく必要があるので不正解。

✕ 不正解

アドバンス・ケア・プランニングの考え方では、成年後見制度の利用を勧めることは適切ではないので不正解。

問題59 死期が近づいたときの介護に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

死期が近づいているときに食事量が減量した場合は、無理に高カロリーの食事を摂取するのではなく、自然な流れとして、体の状態に合わせることが大切なので不正解。

✕ 不正解

チアノーゼが出現したときは、血流を良くするために温罨法(おんあんぽう)で温めるのが適切なので不正解。

◯ 正解

全身倦怠感が強いときは、体力の消耗が少ない部分清拭に切り替えるのは適切な対応なので正解。

✕ 不正解

傾眠傾向があっても、耳は聞こえていることが多い。家族や介護職が話しかけることで、気持ちを安らかにしてもらうことは適切な対応なので不正解。

✕ 不正解

アイスマッサージは、嚥下反射を起こしやすくする方法なので、死期が近づいたときに行うのは適切でないので不正解。

問題60 高齢者施設で利用者の死後に行うデスカンファレンス(death conference)に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

利用者の家族や、ケアに関わった職員が参加するので、ボランティアに参加を求める必要はない。

◯ 正解

デスカンファレンスは、利用者が亡くなった後にケアに関わったメンバーがケアの内容を振り返り、悲しみを共有しつつ、次のケアに活かしていくことである。

✕ 不正解

利用者の死亡直後ではなく、ケアに関わったメンバー一人ひとりが振り返りを行った後に実施するのが適切である。

✕ 不正解

デスカンファレンスは、個人の責任や反省点を追及するのではなく、ケアの内容を振り返る場なので不正解。

✕ 不正解

自分の悲しみといった感情を言葉で表し、それをメンバーで共有することが必要なので不正解。

介護過程(61~68)

問題61 介護過程の目的に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

利用者の健康状態の改善は、介護過程の目的を達成するために行う内容であり、介護過程の目的ではない。

✕ 不正解

介護福祉職の介護観の変容は、介護過程の目的を達成していく過程で起こるものであり、それ自体が目的ではない。

✕ 不正解

他職種との役割の分化は、適切な介護サービスを提供するために必要ですが、それ自体が目的ではない。

✕ 不正解

家族の介護負担の軽減は、目的ではなく、目的を達成するための手段である。

◯ 正解

利用者の生活の質の向上は、介護過程の目的のひとつである。

問題62 介護福祉職の情報収集に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

◯ 正解

利用者のニーズや、小さな変化に気づくことができるよう、五感を活用して情報を集めるのは適切である。

✕ 不正解

利用者の生活全体をとらえて、情報を集める必要がある。

✕ 不正解

まずは利用者と信頼関係を築くことが必要である。

✕ 不正解

介護福祉職にとって興味のない情報でも、必要な情報であらば収集する必要がある。

その際は、利用者の状況把握や問題解決に必要な範囲での情報収集に限定するといった配慮が求められる。

✕ 不正解

介護福祉職が実施したいかどうかに関わらず、必要な情報を集める必要がある。

問題63 次の記述のうち、介護過程の展開におけるアセスメント(assessment)の説明として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

支援内容を説明して同意を得るのは、計画の立案段階である。

✕ 不正解

具体的な支援計画を検討するのは、計画の立案段階である。

✕ 不正解

達成できる目標を設定するのは、計画の立案段階である。

✕ 不正解

支援の経過を評価するのは、評価の段階である。

◯ 正解

アセスメントは、利用者に関する情報を客観的、多角的に収集し、利用者が直面している生活課題を明確にすることである。

問題64 短期目標の設定に関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

介護福祉職の視点ではなく、利用者の視点で取り組める目標を設定する必要がある。

✕ 不正解

利用者や家族、ケアに関わるメンバー全員が同じ目標に向かって取り組めるように、わかりやすく、的確に受け取れる言葉を使用して目標を設定する必要がある。

◯ 正解

実現可能な目標を段階的に設定することは、短期目標を設定するうえで重要である。

✕ 不正解

最終的な目標が長期目標であり、それに対する段階的な目標が短期目標である。

よって、長期目標と短期目標は連動させる必要がある。

✕ 不正解

最終的に実現したい生活像を設定するのは、短期目標ではなく長期目標である。

次の事例を読んで、問題65、問題66について答えなさい。
〔〔事例〕〕
Mさん(78歳、女性、要介護2)は、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)に入居している。
楽しみは、お風呂に入って肩までつかることである。身体機能に問題はない。短期目標を、「見守りのもと、一人で入浴する(3か月)」と設定し、順調に経過していた。
1か月が過ぎた頃、朝の申し送りで、「Mさんが昨日浴室を出ようとしたときに足を滑らせたが、転倒はしなかった。念のため受診したが問題はなかった」と報告があった。その日の夕方、介護福祉職が入浴に誘うと、「行きたくない」と強い口調で断った。それから1週間入浴していないことを心配した介護福祉職が居室を訪ねて、安全に入浴できるように浴室内を整えたことを伝えた。しかし、Mさんは、「怖いから」と小声で言った。

問題65 Mさんの再アセスメントに関する次の記述のうち、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

再アセスメントは、新たな問題が見つかったときなどに行われ、順調に経過していたときの状況分析ではない。

◯ 正解

「怖いから」というMさんの思いを解釈することは、再アセスメントでは重要である。

✕ 不正解

入浴を断られた介護福祉職の思いを理解することは、Mさんの再アセスメントには含まれない。

✕ 不正解

Mさんが入浴を断り続けているのは、足を滑らせたときの恐怖感からきていると考えられるため、入浴時間の変更を検討するのは適切ではない。

✕ 不正解

Mさんが入浴を断り続けているのは、足を滑らせたときの恐怖感からきていると考えられるため、入浴を面倒に思っているとの判断は適切ではない。

問題66 再アセスメントによって見直した支援の方向性として、最も適切なものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

Mさんは湯船につかることに恐怖感を感じているわけではないので不適切である。

◯ 正解

Mさんは浴室内で足を滑らせたことで恐怖感を覚えていると思われるため、浴室内の移動の不安を取り除く支援は適切である。

✕ 不正解

Mさんは身体機能には問題ないため、浴室まで安全に移動できる支援は適切ではない。

✕ 不正解

Mさんの楽しみは「お風呂に入って肩までつかること」なので、足浴で満足感を得ようとするのは適切ではない。

✕ 不正解

Mさんは身体機能には問題ないため、身体機能を改善するという支援の方向性は適切ではない。

次の事例を読んで、問題67、問題68について答えなさい。
〔〔事例〕〕
Aさん(80歳、女性、要介護3)は、パーキンソン病(Parkinson disease)と診断されている。診断後も家業を手伝いながら、地域の活動に参加していた。
半年前からパーキンソン病(Parkinson disease)が悪化し、動作は不安定となったが、「家族に迷惑をかけたくない」と、できることは自分で取り組んでいた。また、主となる介護者である娘に服薬を管理してもらいながら、通所介護(デイサービス)を週3回利用し、なじみの友人と話すことを楽しみにしていた。
最近、通所介護(デイサービス)の職員から娘に、昼食時にむせることが多く食事を残していること、午後になると、「レクリエーションには参加したくない」と落ち着かない様子になることが報告された。

問題67 介護福祉職がAさんについて、主観的に記録したものを1つ選びなさい。

✕ 不正解

Aさんがパーキンソン病と診断されていることは客観的事実である。

◯ 正解

Aさんは「帰宅したい」とは言っていないが、帰宅願望からレクリエーションの参加を拒否したとするのは、介護福祉職による主観的な記録である。

✕ 不正解

Aさんが「家族に迷惑をかけたくない」と話し、できることは自分で行っていたのは、客観的事実である。

✕ 不正解

Aさんが週3回、通所介護(デイサービス)を利用しているのは、客観的事実である。

✕ 不正解

昼食時にむせることが多く、食事を残していることを娘に報告したのは、客観的事実である。

問題68 その後、娘が腰痛を発症し、Aさんは短期入所生活介護(ショートステイ)を利用することになった。次の記述のうち、短期入所生活介護(ショートステイ)におけるAさんの生活課題として、最も優先すべきものを1つ選びなさい。

◯ 正解

Aさんは最近、昼食時にむせ込みが多く、食事量が減っている。食事を安全に摂取できることは、現在のAさんにとって最も最優先すべき生活課題である。

✕ 不正解

服薬管理は、自宅で娘にやってもらっていたが、短期入所生活介護(ショートステイ)では、介護職員や看護職員が行うべきである。

✕ 不正解

通所介護(デイサービス)の利用は、自宅に戻ることができてからとなる。短期入所生活介護(ショートステイ)で最も優先すべき生活課題ではない。

✕ 不正解

なじみの友人ができることは、Aさんにとってもいいことだが、最も優先すべき生活課題ではない。

✕ 不正解

Aさんが地域の活動に参加していたのは、パーキンソン病が悪化する前のことであり、短期入所生活介護(ショートステイ)で最も優先すべき生活課題ではない。


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