この記事はで読むことができます。
ノーマライゼーションの思想
デンマークのバンク・ミケルセンによって、障害者に対する行政改革を通して誕生したのが、ノーマライゼーションの考え方になります。
ノーマライゼーション
障がいのある方でもない方でも同じような生活を送れること
その後、ノーマライゼーションの考え方はスウェーデンのニィリエによって、8つにまとめられ、ヨーロッパだけでなく、アメリカにも広がりました。
① 一日のノーマルなリズム
② 一週間のノーマルなリズム
③ 一年間のノーマルなリズム
④ ライフサイクルにおけるノーマルな発達経験
⑤ ノーマルな個人の尊厳と自己決定権
⑥ ノーマルな性的関係
⑦ ノーマルな経済水準とそれを得る権利
⑧ ノーマルな環境形態と水準
ノーマライゼーションの原理は、国連の「障害者の権利に関する宣言」(1975年)のベースとなり、世界的にも広がっています。
QOLの考え方
QOLの考え方が社会福祉で取り入れられるようになったのは、1980年代に入ってからになります。
それまでは、医療やリハビリテーションの分野で用いられていました。
リハビリテーション分野のADLの考え方が主流だった時代から、次第にQOLという新しい側面で考えられるようになりました。

ノーマライゼーションやQOLといった考え方が、介護の分野でも取り入られるようになりました。
自立支援
社会福祉法第3条には「その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるように支援する」と記載されています。
利用者が自己決定をすることができる「自立」を支援していくことが、介護福祉職には求められます。
自分の生活のあり方を決める権利を「自己決定権」といいます。
自己決定権の中でも「生活に関する自己決定権」と「健康に関する自己決定権」を保障することが重要になります。
生活に関する自己決定権
1日をどのように過ごすのか、どのような人生を歩むのかなど
健康に関する自己決定権
病気になったときにどんな治療を受けるのか、延命処置を希望するのかなど
利用者主体
自己決定権があっても、十分に情報を持っていなかったりすると、自分にあった選択ができなかったり、自分らしい生活ができない場合も考えられます。
介護福祉職には、利用者に対して「十分な情報を提供し、受けるサービスを自己決定できるように支援する」ことが求められます。