第36回 筆記試験日 2024年1月28日(日)

【9-1-2】発達段階別に見た特徴的な疾病や障害

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胎児期

ダウン症候群(Down syndrome)

21番染色体が1本余分に存在することで発生する染色体異常による疾患

発育の遅れ、精神発達の遅れ、特有の顔立ち、難視や難聴などが特徴です。

染色体が1本余分に存在し、同じ番号の染色体が(正常の2本ではなく)合計で3本になった状態をトリソミーといいます。ダウン症候群の約95%は、21番染色体が3本ある21トリソミーが原因です。

先天性代謝異常

生まれつき代謝の働きが障害されることで様々な症状を引き起こす遺伝性の疾患

フェニルケトン尿症では、特定のアミノ酸が体の中で正常に代謝されずに蓄積してしまうため、発育や知能の障害が現れます。

新生児マススクリーニングを受けることで明らかにし、治療をすることができます。

脳性麻痺

生後4週間以内に生じた脳への損傷によって引き起こされる運動機能の障害

乳児期

乳幼児突然死症候群(SIDS:Sudden Infant Death Syndrome)

それまで元気に育っていた赤ちゃんが何の予兆や病歴のないまま、睡眠中に当然死亡する病気

日本での発生数は減少していますが、乳児期の赤ちゃんの死亡原因の上位になっています。

原因は不明ですが、発症リスクを低くするため、3つのポイントに注意する必要があります。

  • 1歳になるまでは、寝る時はあおむけに寝かせる。
  • なるべく母乳で育てる。
  • 妊娠中はたばこをやめる

幼児期

知的障害

全般的な知能の発達に遅れが見られ、社会生活や日常生活にうまく適応できない障害

症状の程度やあらわれ方は一人一人違い、個人差が大きいことが特徴です。

学童期

発達障害

自閉症、アスペルガー症候群、広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害といった脳機能障害で、症状が低年齢で見られるもの

就学が始まると、授業への参加や同世代との交流から発達障害の症状が表面化しやすくなります。

青年期

摂食障害

食行動の重篤な障害を特徴とする精神疾患

「拒食症」と呼ばれる神経性食欲不振症(AN: anorexia nervosa)と「過食症」と呼ばれる神経性過食症(BN: bulimia nervosa)とに分類されます。

神経性食欲不振症は10代に多く、90%は女性になります。

ダイエットや胃腸症状・食欲不振をきっかけに発症します。

多くの場合、発症前に心理的社会的ストレスを経験しています。

神経性過食症は20代に多く、90%は女性になります。

明らかに多量を食べ、食べることを止められない感覚を伴います。

多くは発症前にダイエットを経験し、神経性食欲不振症から移行することもあります。

成人期

生活習慣病

食事や運動、休養、喫煙、飲酒などの生活習慣が深く関与し、それらが発症の要因となる疾患の総称

日本人の死因の上位を占めるがんや心臓病、脳卒中は、生活習慣病に含まれます。

以前は「成人病」と呼ばれていましたが、1996年に厚生労働省が「生活習慣病」と改称しました。

更年期障害

40歳を過ぎた頃から見られる、様々な体調の不良や情緒不安定などの症状

閉経前の5年間と閉経後の5年間とを併せた10年間を「更年期」といいます。

この更年期に現れるさまざまな症状の中で他の病気に伴わないものを更年期障害といいます。

主な原因としては、女性ホルモン(エストロゲン)の分泌量が低下していくことですが

他にも以下の要素が複合的に関与することで発症すると考えられています。

  • 加齢などの身体的因子
  • 成育歴や性格などの心理的因子
  • 職場や家庭における人間関係などの社会的因子

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